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歯科衛生士が福岡の小児歯科の医療事故について考えてみました。

歯科衛生士が福岡の小児歯科の医療事故について考えてみました。

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はじめに

歯科

ニュースになり気になっている方も多いと思うので、
現役で日々こどもたちと関わっている歯科衛生士の目線で今回の
小児歯科での医療事故について考えてみました。

ご本人であるお子様やご家族におかれましては、
察することができないほどの悔しさや悲しさがあることと思い、
とても胸が痛みます。

産経westより参照)

事故の概要

2017年7月、小児歯科医院で、むし歯の治療を受けた2歳の女の子が、
治療後に低酸素脳症により二日後に亡くなりました。原因は捜査中ですが、むし歯の治療の時に、局所麻酔を受けたことから、アレルギー反応によるショックなどが疑われているようです。

私の疑問

2歳の子どものむし歯治療は、する側もされる側も大変です。よほど緊急性がない限り、
通常は歯科に慣れることから始めます。
また歯みがきや食などの生活習慣の指導をし、フッ化物の塗布などで経過をみます。
(参照 フッ素には種類がある!また、フッ素の効果や害は?

しかしこの歯科医師は、麻酔をしてむし歯治療をしたとのことから、
痛みが出るような大きなむし歯があったと予想されます。
でも2歳の子どもがじっとしているわけはなく、
泣いて暴れる体を、ネットで押さえつけての治療だったでしょう。

小児歯科での治療には、ケガや誤嚥防止などの目的で、
ラバーダム防湿という治療用の歯のマスクのようなものをします。
今回していないなら、歯科の材料を気管に詰まらせた可能性は0ではないと思います。
泣いていると、しゃくり上げた瞬間に、吸い込んでしまうのです。

また麻酔についてですが、やはり2歳の子どもに麻酔をするというのは普通考えられないので、
よほどの理由があったかと思いますが、やるならば細心の注意が必要で、
大変なリスクがあることを承知していたのか、疑問です。
だだでさえ泣き叫べば低酸素の状況になるので、麻酔による副反応のリスクが大きいことは、
歯科衛生士の私でさえ予想することができるからです。

看板だけの小児歯科?

そもそも、この歯科医師は小児歯科の専門医だったのでしょうか。
小児歯科学会によりますと、
「小児歯科」と看板を出している歯科医院は全国にたくさんありますが、
小児歯科専門医は1200人ほどで認定医も多くはありません。

専門医や認定医でなくても、歯科医師であれば「小児歯科」の看板は自由に出せ
るため、この歯科医師はこれにあたるようです。

つまり小児の専門医ではないのです!!

年齢が小さければ小さいほど、子どもに理屈は通じず、嫌なものは嫌だと、
全身全霊で抵抗します。私たち医療従事者は、そんな子どもの特性を十分に知った上で、
様々な危険を想定しながら慎重に診療しなくてはなりません。
医療は、患者さんを健康にするお手伝いをするものであるからです。

何とも痛ましく悲しいニュースですが、改めて気を引き締めて、診療にあたろうと思いました。

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最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
コメントや質問があればどうぞ。