【パパ・ママ必見!】子どもの年齢別 9歳~12歳のお口の悩み

さてさて、いよいよ心も体も成長し、
パパやママのお世話は必要でなくなりつつある年代となってきましたが、
とはいえまだまだ子ども。
大人だって自己管理ができないのですから
無理もない( ;∀;)
ということで9歳から12歳のお口の中の変化を
まとめてみましたので参考にしてください。
小児歯科の現場と、我が子の経験など
ベテラン歯科衛生士ならではの情報満載です。
意外にかかりつけの歯科医院では教えてくれなかったことも
あると思いますよ。
- 1. 9歳・・・仕上げみがきもぼちぼち卒業!?
- 2. 永久歯(大人の歯)の数がもっともっと増えてくる!
- 3. 歯並びに注目!将来に影響します(>_<)(8歳同様)
- 4. 仕上げみがきは、もうひとがんばりです!
- 5. 歯を大切する意識は一生もの
- 6. 10歳・・・あれ?おとなの歯はどうした?!
- 7. ①骨癒着(こつゆちゃく):歯が顎の骨についてる
- 8. ②乳歯(こどもの歯)に元気な神経がない
- 9. ③歯ぐきの中に、もとから永久歯がない
- 10. まとめると
- 11. 11歳・・・まだ大人の歯が生えるの?
- 12. 若年性歯周炎
- 13. 乳歯が抜けない
- 14. まとめ
- 15. 12歳・・・いよいよ巣立ち。でも要注意
- 16. 12歳臼歯(第二大臼歯)が生えてくる
- 17. 歯ぐきが腫れやすい
- 18. 抜かなくてはならない乳歯が残っている
- 19. 歯並びや噛み合わせの確認
9歳・・・仕上げみがきもぼちぼち卒業!?

さあ、いよいよ9歳!
背もグッと伸びて、
早い子はお母さんと、
対等に話ができるのではないでしょうか(^^)
仕上げみがきもそろそろ卒業しても良いのですが、
自分ではきれいにできないという子どもがほとんどですので、
できるだけ続行しましょう!(^^)!
本人がどうしても嫌がるのであれば、
磨き残しを染め出す
ピンクや紫色の液体(歯垢染色液)があるので、
使うといいですよ(^^)
どんなところを磨き残しやすいのか
一目瞭然です!!!
永久歯(大人の歯)の数がもっともっと増えてくる!

8歳と同様に、
上下の前歯4本ずつと
奥の6歳臼歯4本が生え、
残りの乳歯が次々に永久歯(大人の歯)に
変わる年齢です(^^)
顎の成長や食生活などによって
個人差はありますが、
普段から硬いものを
よく噛んで食べて来ないと
スムーズな交換ができないことがあります(>_<)
とりあえず待ちましょう(^^)
小児歯科(子ども専門の歯医者)に診てもらっていれば
安心です(^^)
歯並びに注目!将来に影響します(>_<)(8歳同様)

前提として言っておきたいのは
小児歯科(子供用の歯医者)に
かかってくださいということです(>_<)
まあ、ともかく
歯並びについてですが、
前歯がきれいに揃っていたとしても、
周りの歯が生え替わるときに
押されてガタつくことがよくあります。
どういうことかというと
まず、
前の方の歯が
永久歯(大人の歯)に生え替わった後、
奥側が生え替わります。
乳歯は小さいのできれいにならんでいても、
永久歯は』大きいので
歯や顎の大きさのバランスで入りきらないと
予想されることがあります。
そんなときに、
抜歯をタイミング良くすると
きれいに歯が並ぶこともあるので、
乳歯の交換について熟知した歯医者にかかっていると、
矯正治療をしなくて済むこともあります。
必ずレントゲン写真などの
資料を元に診療しますが、
明らかに並ばないと見込まれる場合は、
顎の大きさを広げる
小児矯正をスタートすることをお勧めします。
逆にこの時期を逃すと、
小児矯正は難しくなります(>_<)
小児矯正については詳しくはこちら↓
仕上げみがきは、もうひとがんばりです!

10歳(4年生)までは
仕上げみがきが必要です(>_<)
特にパパ・ママは奥歯をみがいてあげてください!
それは、
腕の関節がまだできあがっていないため、
手を細かく動かすことができないからです。
また、
次々と起こる生え替わりを、
親や歯医者で見守る必要があるのです。
・・・と8歳の記事で書きましたが、
9歳ともなるとそろそろ自立心が強くなり、
仕上げみがきをしてもらっていることを、
友達に知られたくないようです(>_<)
自立心が強くなることはとてもよいことです(^^)
親がそのことを受け入れて褒めてあげましょう。
ただし、
みがけているか時々チェックして、
みがき残しが多いようなら
仕上げをするくらいの距離感が丁度よいです。
歯科医院(できれば小児歯科)での定期検診は
4ヶ月に一回はきっちり受けさせましょうね。
歯を大切する意識は一生もの

この頃までに、
歯を大切にする意識がしっかりと定着すると、
一生の宝となります。
むし歯の治療で悩むだけでなく、
歯周病をも予防することができるからです。
歯周病は、
菌が血管を伝って
全身の病気を
引き起こすこともあるからです
(・□・;)コワイ
とにかく、
一生に一本しか生えてこない
歯たちを大事にしてくれるように
するのがわたしたちの仕事ですからね(^^)/
お役に立てれば幸いです(^^)
10歳・・・あれ?おとなの歯はどうした?!

早ければ、
そろそろ乳歯(子どもの歯)と
永久歯(大人の歯)の交換は終わりになります。
歯の生え代わりの多くは
左右対称になっているはずですですので
タイミングがあまりにもズレているときは要注意です!
(上下は対称ではありません。)
しかし、
スムーズに交換ができないこともあるので、
起こりやすい原因をご紹介しますね。
10歳で起こる可能性の高い
おとなの歯に生え変わらない
3つの原因をご紹介します。
息子さんや娘さんが当てはまっていないか
確認してみてください(>_<)
合わせてこちらもご覧ください!↓
①骨癒着(こつゆちゃく):歯が顎の骨についてる

(生えかわり時のレントゲン)
先日患者さんでもいたのですが
乳歯の根っこが顎の骨にくっついていて、
抜く時期が来ているのに抜けないことがあります。
こうなると自然に抜けるまで待たず、
抜歯が必要な可能性があるので
小児歯科(子ども専門の歯医者さん)に行って
とりあえずレントゲンを撮ってもらい
お医者さんの意見を聞きましょう(>_<)
(参照:子どもは絶対、小児歯科(子ども専門の歯医者さん)へ!!!!!!)
とにかく、どういう場合が
抜歯をした方が良いと判断されるかというと、
骨癒着している場所の左右反対側の乳歯が、
すでに抜けていたり、
生え替わる予定の
永久歯の根っこが3分の2以上完成していたら、
自然に抜けるのを待たずに、
部分麻酔をして乳歯を抜歯する方がよいでしょう(>_<)
基本その後、「よし!邪魔な乳歯がいなくなったぞ!」
と言わんばかりに
自然に永久歯が生えていきます(^^)
特に骨癒着という症状になりやすいのが
一番奥の乳歯(子どもの歯)です。
②乳歯(こどもの歯)に元気な神経がない

むし歯が大きくて神経を抜いたり、
歯をぶつけて神経が死んでしまっていると、
乳歯の根の吸収がスムーズに進まずに、
なかなか歯がグラグラしてきません。
抜けるべき時に抜けなければ、
部分麻酔をして乳歯だけ抜歯します。
そうすれば基本的には
永久歯が生えてきます(^^)/
③歯ぐきの中に、もとから永久歯がない

永久歯(大人の歯)がないと、
乳歯の下から押し上げるものが
ないということなので、
乳歯はそのまま残っています。
その場合は、きちんとした理由がない限り抜いてはいけません。
生えてこない大人の歯の代わりをしてもらうためです。
ただし乳歯は
根が永久歯ほど長くしっかりしていないので、
いずれ自然に抜けることが多いですが、
まれに年配になるまで残っている人もいます。
まとめると

これらの乳歯が生えかわらない事例を
何となく知っているだけでも安心かと思います(>_<)
歯の生え代わりの多くは
左右対称になっているはずですですので
タイミングがあまりにもズレているときは要注意です!
歯医者さんでも私へのコメントでも
不安なことは、
どんどん質問してください。
質問を嫌がる歯医者さんは、
遠慮なくサヨナラしましょう。
子どもの健康が一番大切ですからね!
11歳・・・まだ大人の歯が生えるの?
11歳といえば、そろそろ生える12歳臼歯が心配です。
意外にもパパ・ママ、もう奥には親知らずしか
生えないんじゃないかと思っている方がいるんですよね( ;∀;)
そして親も本人も気づかないうちに、
上下左右の一番後ろに生え、
いつの間にかむし歯になってしまうことがあるからです。
歯科に行っていないならば・・・かなり自分で意識していないと、
生えてきたことや磨くことを見過ごしてしまうかもしれません(゜´Д`゜)
実はうちの娘、右上の12歳臼歯をむし歯にしてしまいました(゜◇゜)ガーン
中学生になり部活が始まって、
しばらく歯科医院に行っていなかったことと、
私が小まめにチェックしていなかったことが敗因です・・・
少し削ってプラスチックを詰めてもらいましたが、
歯科衛生士として完全なる負けです( ;∀;)
むし歯菌に負けてしまったんです!
なぜなら歯は、一度削ったら再びむし歯になるリスクが高くなるから(・_・、)どんなに精巧な治療をしても、詰め物の劣化は時間の経過とともにあるんですよね。
皆さんには同じ失敗をして欲しくないので、
勤め先でも小学生高学年の子どもや保護者の方々に、
私の失敗談を言いふらしています。
歯科検診と奥まで丁寧な歯みがき!
1本みがき用の小さな歯ブラシも使うといいですよ。
そしてそして、保護者の方の温かい声かけを
よろしくお願いします。
若年性歯周炎
ワリと多いんです。
歯肉が赤く腫れて、ブヨブヨしている子ども。
歯科用のエアーをかけると、歯肉が揺れます。
デンタルフロスや歯ブラシをあてると、出血します。
腫れの原因は、女性ホルモンや男性ホルモンの分泌によると
言われています。
大人になる準備をしている証拠ですが、
歯肉の腫れの原因菌である歯周病菌は、
このホルモンが大好きで元気になってしまうようです。
男子より女子に多く、家系的な要因もあります。
妊娠中にも歯肉炎になりやすいのですが、
この妊娠性歯肉炎も同様の理由です。
自分では全く気がついていないので、
鏡で見せたあと私の歯肉を見せると、
自分の歯肉が赤く腫れていることに気づいてくれます。
こういうときのために歯科衛生士なつこ、
ちゃんと磨いてますよー(^_^)V
ホルモンの状態を変える訳にはいかないので、
とにかく歯周病菌が増えないように、
小まめに口の中をきれいにしましょう!
乳歯が抜けない

11歳になると、
第二乳臼歯という乳歯の中では一番最後に生えた奥歯が、
そろそろ抜けて第二小臼歯という大人の歯が生え始めます。
ところが、
すんなりと生え替わってくれないことがあるんです( ;∀;)
この歯の根は2本から3本あり、
しっかりとしていることが多く、
歯の周りの骨にくっついていることがあるのです。
奥歯でよく噛んでいないことも要因のひとつですので、
まずはよく噛むように指導しますが、
永久歯の根が3分の2以上できているようなら、
半強制的にに抜いてしまうこともあります。
(もちろん体調や本人、パパママの了解のもとですが(*’ω’*))
もう永久歯が出てきてもいい頃なのに、
出たくても出られない状況が予想されるからです。
早く抜き過ぎると、歯が無い期間が長くなり、
歯並びに悪く影響すると困るので、
小児専門の先生なら
必ずレントゲン写真やかみ合わせを確認してから診断しますから、
安心してください(^o^)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
意外に知らないこともあったのではないですか?
恥ずかしながら私も・・・
小児歯科に勤めてから初めて知ったことも多くあります(+_+)
私がいた一般の歯科では、
こんなにも詳しく教えてもらったこともないし、
もちろん患者さんにも教えたことはありませんでした。
歯科医師も知らない・・・(-_-;)
専門でないって、やっぱり怖いです。
歯科医師や歯科衛生士の国家資格を取ったあとは、
専門分野以外の記憶は薄らいでしまいますからね(>_<。)
小児の専門ではないのに小児歯科の看板を出すのは、
本当にやめて欲しいです(`Д´)
患者さんが気の毒です(;_;)
今回も、つい熱くなってしまいました。
15歳くらいまでは小児歯科で診てもらえると思いますので、
ぜひ小児歯科を受診してくださいね(*^_^*)
12歳・・・いよいよ巣立ち。でも要注意

12歳といえば、やっぱり中学校入学が、
大きな行事ですかね(*^_^*)
小学生とは大きく違い、
勉強やスポーツなどのクラブ活動で
忙しくなる子どもが多いでしょう。
また精神的にも肉体的にもグッと大人に近づいて、
自立する年齢でもあります。
思春期とか反抗期とか表現されるくらいなので、
周りの大人が「大人らしい」対応をしないと(^_^;
歯に関しては、もうほとんど保護者の管理下にないので、
自分での管理の徹底と、
歯科医院での定期検診はしっかりやってもらいたい!!
中学校の学校検診に
年2回10年ほど行っていた経験からも、
なぜ歯科医院での定期検診が必要なのかを
切実にお話しようと思います!
12歳臼歯(第二大臼歯)が生えてくる
上下左右のいちばん奥に、
第二大臼歯という永久歯が生えてきます。
一番奥なので保護者はもちろん本人も
気づかないことも多く、
汚れがたまって歯肉炎やむし歯になりやすい歯です。
(これで娘はむし歯になりました(;_;))
歯が生えきるまで、
先の尖った一本みがき用の歯ブラシなどを使って管理し、
生えきったらすぐに溝うめの予防シーラントをするようお勧めします。
歯ぐきが腫れやすい
思春期性歯周炎によって、
歯肉が赤く腫れて出血することがあります。
思春期はホルモンのバランスの変化から起こりやすいので、小さい時以上にていねいに歯ブラシで汚れをとることが大事です。
血が出るからとか面倒くさいからとか言って、
不潔にしていると、どんどん腫れてきます。
「笑ったときに歯に血がついてたら、怖くない?」
「口臭の原因になるよ」
身だしなみに気を使い始めるお年頃だからこそ、
私は子どもたちにこんなことを言って(脅して?)
歯みがきへのモチベーションをアップさせています!(^^)!
抜かなくてはならない乳歯が残っている
そろそろ乳歯が全部抜けて、
永久歯に生え替わってもいい頃です。
10歳から繰り返しお話ししていますが、
12歳ともなればことの重大さはマックスです(*ノωノ)
でも結構、第二乳臼歯という乳歯の中でいちばん最後に生えた大きな乳歯が、
まだ残っている子どもがいるのです。
乳歯が歯肉にくっついたままで、永久歯が横にズレて生えてきていて、
「早く歯医者さんで抜いてもらいなよ~」
と学校検診のときに
指導することも度々あるくらいです。
歯科医院で見つてけたら状況次第では、
その日に抜いちゃうんですけどね(*’ω’*)
ただ、気を付けなければならないのは、
これから挙げる3つの原因の、
どの原因で抜けないでいるか、ということです。
原因① 先天的に永久歯が無い
第二乳臼歯のあとに生える「第二小臼歯」という永久歯が、
もともと存在しないことがあります。
上下左右4本とも無いことは少なく、
一本だけ無いという人が多いようです。
その場合、歯並びに問題がなければ乳歯をそのまま大切に使います。
その存在の有無はレントゲン写真を撮るとわかるので、
7歳くらいに撮って
パパ・ママも予め知っておくといいと思います。
全部の歯の状態がおおよそわかる
オルソパントモ(パノラマ)という写真がいいです。
原因② 永久歯の準備ができていない
乳歯のあったところに永久歯が生えますが、
永久歯の根っこの部分が半分以上できていないと、
生える準備が不十分です。
根ができてくるに従ってロケットが噴射するかのように、
乳歯を押し上げくれます。
そのとき乳歯の根の先がだんだん溶けて、
自然に抜けることが多いのですが、
永久歯のでき方は多少個人差があります。
③ 乳歯が骨に癒着している(くっついている)
奥歯でよく噛んでいない子どもにありがちなんです(;_;)
よく噛むことで乳歯が適度に刺激をうけて揺らされ、
乳歯の根っこと骨のつなぎ目がはがれてきます。
特に第二乳臼歯は根っこが2~4本あるので、
堅めの食べ物をよく噛んでいないと、抜けにくくなります。
歯並びや噛み合わせの確認
歯並びに関しては、
大人の歯がほぼ並びきった状態なので、
このあとは大きな変化は起こりません。
出っ歯、受け口、前歯の上下が開いている、
上と下の歯が横にズレている、
歯列がガタガタしている
といった今後の食生活などに悪影響がある状態の解決法は、
本格的な矯正でないと治らないのです(×_×)
歯並び見た目だけでなく、
むし歯や歯周病といった弊害があることは確かです。
長い生涯を考えると、早い段階で矯正した方がいいので、
いまいちど本人と家族で検討してもいいかと思います。
いかがですか。
なかなか自分では気づきにくい問題ですよね。
中学生は本当に忙しく、
部活を休みにくい状況にあることが多いです。
そのため学校の歯科検診で問題を指摘し
家庭への手紙を出していても、
歯医者の受診率はとても低いのが現実です(;o;)
保護者に確実に連絡が行くようにすることや、
部活を休みやすい環境にするよう、
中学校の先生にお願いしているくらいです。
とはいえ学校検診は、
目立った問題を見つけることはできても、
歯の間や小さなむし歯を見逃してしまうこともあります。
レントゲン写真ででやっとわかるようなむし歯が、
歯の間に隠れていることがあるからです。
だから学校検診でなんの問題がなくても、
歯科医院で半年に一回は検診を受けることをお勧めします。
地方自治体によっては
中学校卒業まで医療費がとても安く済みますしね(((^-^)))
保護者も、仕事を持っている方が多く忙しいと思いますが、
(私もそうでした(×_×))
まずは保護者の方が12歳の子どもの口の中へ関心をもち、
とりあえず歯医者へ行くよう促してもらえたら嬉しいです!
最後までお読みいただき本当にありがとうございました(^^)
ぜひ気軽にコメントや質問ください!
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