【始めが肝心!】ケガをした!歯をぶつけて、抜けた、欠けた、グラついた!

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はじめに
子どもって、ホントによく動きますよね-!!
大人が同じように動いていたら、すぐ疲れてしまいそうです(~_~;)
歩き始めは、歩くことが楽しくて仕方がないし、
少し高いところからのジャンプも刺激的です。
外だけでなく家の中でも、テーブルやおもちゃにぶつかることも大いにあります。
頭が大きいのでバランスを崩すこともしばしば・・・(>_<。)
特に男の子は活発なことが多いので、あっと思ったときには転んでいます。
四六時中、手をつないでいるわけにもいきませんからね(×_×)
小学生になると身体能力は上がりますが、
ますます活発になって活動範囲が広くなり、ケガのリスクはまだまだあります。
実際、前歯をケガして突然来院する小学生、結構います。
突然でもなんでも、歯医者に来てくれるだけ、まだいいんです。
自己判断で様子を見ていて、すぐ対処しないと後々に影響することもあるからです。
ちなみに・・・
「小学校の養護の先生が見てくれて大丈夫だったので、歯医者に行かなかった」
という子が、前歯をぶつけて2週間経ってからやってきました。
グラつきはあまりありませんが、明らかに歯が曲がってる・・・
2週間もったているのでは、矯正しない限り元の位置には戻せません。
ぶつけてすぐに、正しい対処をしていたら、と思うと残念です。
養護の先生は歯科どころか小児歯科の専門ではありません。
大まかな医療の知識はあっても、医療従事者ではなく「学校の先生」なのです。
念のため小児歯科に行って「診察」してもらいましょう。
では、ケガをしたとき、まずどうしたらいいか・・・
まずは全身の状態を確認
とにかく歯より命が大切です!!!
脳や頭蓋骨にダメージがないかを確認しましょう。
頭を強く打ってダメージがあると、意識が混濁して、
目の焦点が合わない、足取りがふらついているなどの症状があります。
低体温やけいれんなどの、ショック状態になっていないかも確認します。
元気に泣いているならば心配ないですが、
どこが痛いかを聞きながら、脳をはじめ全身の状態を確認しましょう。
歯の対処
乳歯も永久歯も、はじめの対処法はほとんど同じです。
全身状態に問題がないようなら、
歯の復元は時間との勝負になりますので、まずは落ち着きましょう!
迅速に適切な対処をすることで、今後の経過に大きく作用します。
ケガをしてから6時間以内に処置することが鉄則ですが、
早ければ早いほどその後の経過がよくなります。
体は早く回復しようとし、逆に後の治療でうまくいかないことがあるからです。
血がたくさん出て慌てると思いますが、子どもを落ち着かせます。
泣くと余計に出血するからです。
周りの大人が取り乱していると、子どもは落ち着くことができませんので、
一緒に深呼吸して冷静になりましょう(^^)
口に清潔なタオルやハンカチを軽く当てて圧迫し、血が止まるようにします。
軽く口をゆすいでもいいですが、
血が出るからといってブクブクうがいをすると、より出血しますよ。
歯医者はできれば小児専門のところがいいのですが、
遠かったり休診日だったりで行けない場合、
一般で小児もやってる歯医者でもいいので、受診します。
多くの場合は急患で入れてくれますが、
電話でケガの状態を簡単に説明して歯医者へ行きます。
保険証などは後で持っていけば問題ないので、とにかく早く行きます。
症例① 歯が抜けた
きれいならそのまま抜けたところに戻して、
歯医者へ行く方がいいです。
でも小さい子は、また抜けて飲んでしまう恐れがあるので、
水で洗わず牛乳にそのまま浸けて保存してください。
最善の保存液は、専用の保存液「ネオ」というものがあり、
歯の根っこを覆う軟らかい組織を傷や乾燥から守るものです。
「生理食塩水」でも良いので、学校や幼稚園には常備しているかと思います。
歯を持つときは、根っこの部分を触らないでくださいね。
歯医者ではまずレントゲン写真をとって骨の状態を確認します。
抜けた所に局所麻酔をし、歯を元の位置に戻します。
一時的に固定するため、
両隣の歯とレジン(プラスチックのようなもの)やワイヤーでつないで留めます。
歯肉が剥がれていたら縫合します。
さらにしっかりと固定をするため、歯のギブスを作って装着します。
炎症を起こしているので数日間は抗生剤を飲んでもらい、
2,3日後、1週間後、2週間後と間隔を開けながら経過を診ていきます。
症例② 歯がグラついた
まずは歯の状態を、レントゲン写真で確認します。
グラつきの原因が、歯が脱臼しているからか、歯の根っこが折れているかを見るためです。
脱臼している場合は、グラつきの度合いによって、
そのまま状態を見守る、レジンで固定する、ワイヤーで固定する、
のいずれかの処置をします。
折れている場合は、抜くかそのまま固定するか難しい判断になりますが、
一旦固定してその後の経過をみることもあります。
しばらく状態が安定していても、
のちに膿んたり腫れたりするようなら、抜くことになるでしょう。
症例③ 歯が欠けた
欠けた部分が歯の神経に及んでいなければ、レジンで補修したら終わりですが、
少なからず衝撃を受けて歯の神経にもダメージがある可能性から、
定期的に状態を確認します。
欠けた部分が歯の神経にまで及んでいたら、局所麻酔をして神経の治療をします。
神経の入っていたところが完全にきれいになるまで何日か治療をし、
被せ物の型取りをして被せたら終わりです。
症例④ 歯ぐきから血が出た
歯ぐきが傷ついたり、上唇小帯という上の前歯の唇方向に付いている筋が切れていたり、歯が脱臼して血が出ていることがあります。
レントゲンを撮って状態を確認し、固定するか経過をみます。
衝撃を受けているので、その後の経過を定期的に歯科医院でも観察します。
歯医者での処置後
歯を固定した場合、経過をみて安定が見込めたら固定した材料を外します。
乳歯の場合はそのままにしておくと、
永久歯への生え替わりに影響することがあります。
歯の抜けるタイミングがそれぞれの歯によって違うので、
隣の歯に影響することがあるんですよね(>_<)
また長く固定していると、
歯と骨が癒着してスムーズに交換できないことがあります。
歯の神経にダメージがあると、神経の治療が必要になることもあります。
歯の色が一時的にピンク色になるのは、歯の神経が充血しているため。
痛みなども治まって元の歯の色に戻ったら、神経は健全だと言えるのですが、
うすく茶色や灰色に変わってきたら神経が死んでしまった状態です。
歯の根の完成度合いや乳歯・永久歯の違いなどで、
その後の処置の方法は違います。
いずれにせよ定期的に歯医者さんで診てもらい、
ケガした歯が乳歯なら、永久歯に生え替わるまで、
永久歯なら、歯根が完成しケガから2年くらい経つまで、
レントゲン写真をとって状態を確認することを強くお勧めします。
健全な歯に比べて、歯の寿命は短いことは覚悟しておきましょう。
最後に・・・
子どもがケガをしたことで、パパやママが自分を深く責めることがあります。
「歯で良かった」と簡単に言うことはできませんが、
成長の第一歩として「これから」を大切にできたら良いのではないでしょうか。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました(^^)
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