【知って安心!】子どもの治療に「ラバーダム」って本当に必要なの?
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はじめに
「わざわざ何故、あのゴムのマスクを歯にかけるんだろう。」
そう思ったことはありませんか?
なんだか歯が締め付けられて違和感があるし、
口をふさがれて息苦しい感じだし・・・(×_×)
子どもにラバーダムをやるよと言うと、
本人だけでなく見守る保護者も不安顔に・・・。
こんなふうにウケも良くないうえに、
手間や材料代がかかるのに、収入にならないラバーダム。
大学病院はしっかり基本に則って行いますが、
ほとんどの歯科医院は省略する医院が多いのが現実です。
でも実際は、
ラバーダムは大人の歯の根っこの治療や、子どものむし歯の治療には、
欠かせないものなのです!
それには深―いワケがあるからなのです。
ラバーダムって、どうなってるの?
折り紙くらいの大きさのゴムのシートに、
小さな穴を開けて、治療する歯や保持する歯を通し、
クランプという小さな輪っか状の金具で留めます。
シートの4隅を枠に引っかけてピンとさせ、お口にマスク状に被せます。
複数の歯を治療するときは、マスクが浮き上がらないように、
歯をデンタルフロスで結びます。
通常は、2,3分でラバーダムをかけることができますよp(^^)q
ただ泣いてる子どもにやるのは大変なので、少し時間がかかります。
でも泣いているからこそ、しっかりやっておかないと、
思わぬ事故につながることもあるので、安全のためご理解くださいm(__)m
これから、具体的に理由をお話ししますね。
患者さんのため① 薬液や水や削りカスが、ノドに入らない
治療では、歯を削ったり消毒して、きれいにしてから詰め物をします。
そのとき歯からでるむし歯の削りカスや薬液を、バキュームで吸いとりますが、
どうしてもノドの方へ流れていってしまいます。
でもラバーダムがあると、シートで仕切られているので、
削りカスや薬液がノドに流れにくくなり、
患者さんの不快感を軽くすることができます。
「ラバー」はゴム、「ダム」は堤防、の意味ですので
しっかり役目を果たしてもらいませんとね(^ω^)
患者さんのため② 舌や頬を巻き込まない
歯に周りは、舌や頬、歯肉などの軟らかい組織でおおわれていて、
患者さんが急に動くと、周りの組織を器具で傷つけてしまう恐れがあります。
特に子どもは突然あばれることもあり、そのうえ口が小さいので、
どうしても治療に危険がともないます。
ラバーダムが、歯の周りの組織にフタをした格好になっているので、
安全に治療できます。
患者さんのため③ 誤嚥を防ぐため
子どもは泣くとき、すごい勢いで息を吸い込みます。
治療で使うロール綿などで簡易的な治療をすると、
不意に吸い込んでしまうこともあり、
気管に詰まると窒息してしまいます。(他院で事故の例があります)
ラバーダムは歯にしっかりとシートを固定しているので、
吸い込む心配はありません。
歯医者のため④ 唾液が入らないようにする
唾液には、水分だけでなく雑菌も混じっています。
治療のときに唾液が入ると、材料が固まらなかったり、
歯の中に雑菌が入って治療がうまくいかないこともあります。
唾液をせき止めることで、治療の精度が格段に上がります。
歯の根っこの治療をするときは特に、
根っこの中を無菌状態にしたいのに唾液の浸入によって
細菌が入り込み、治りが悪くなります。
「治してもらったところが再び病気になった」
という原因の一つでもあります。
歯医者のため④ 治療する歯を見やすくする
口の中は狭いのに複雑で、細かい作業をするのがとても難しい環境です。
治療する歯だけがシートから出ていると、
とても見やすくなり作業を精密に進めることができます。
歯の根元を金具や糸でおさえるので、少し違和感はありますが、
安全で確かな治療をするにはラバーダムはとても大切な方法です。
特に子どもに必要性が高く、
省略すると時間や体への負担がかかってしまいます。
4歳くらいからできますので、
ラバーダムをして治療することをお勧めします。
最後までお読みいただき本当にありがとうございました(^^)
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