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【知って安心!】子どもの治療に「ラバーダム」って本当に必要なの?

【知って安心!】子どもの治療に「ラバーダム」って本当に必要なの?

読了目安:[4 分]

はじめに

バルーンアート トイプードル

「わざわざ何故、あのゴムのマスクを歯にかけるんだろう。」

そう思ったことはありませんか?

なんだか歯が締め付けられて違和感があるし、

口をふさがれて息苦しい感じだし・・・(×_×)

子どもにラバーダムをやるよと言うと、

本人だけでなく見守る保護者も不安顔に・・・。

こんなふうにウケも良くないうえに、

手間や材料代がかかるのに、収入にならないラバーダム。

大学病院はしっかり基本に則って行いますが、

ほとんどの歯科医院は省略する医院が多いのが現実です。

でも実際は、

ラバーダムは大人の歯の根っこの治療や、子どものむし歯の治療には、

欠かせないものなのです!

それには深―いワケがあるからなのです。

ラバーダムって、どうなってるの?

折り紙くらいの大きさのゴムのシートに、

小さな穴を開けて、治療する歯や保持する歯を通し、

クランプという小さな輪っか状の金具で留めます。

シートの4隅を枠に引っかけてピンとさせ、お口にマスク状に被せます。

複数の歯を治療するときは、マスクが浮き上がらないように、

歯をデンタルフロスで結びます。

通常は、2,3分でラバーダムをかけることができますよp(^^)q

ただ泣いてる子どもにやるのは大変なので、少し時間がかかります。

でも泣いているからこそ、しっかりやっておかないと、

思わぬ事故につながることもあるので、安全のためご理解くださいm(__)m

これから、具体的に理由をお話ししますね。

色えんぴつから芽生え

患者さんのため① 薬液や水や削りカスが、ノドに入らない

治療では、歯を削ったり消毒して、きれいにしてから詰め物をします。

そのとき歯からでるむし歯の削りカスや薬液を、バキュームで吸いとりますが、

どうしてもノドの方へ流れていってしまいます。

でもラバーダムがあると、シートで仕切られているので、

削りカスや薬液がノドに流れにくくなり、

患者さんの不快感を軽くすることができます。

「ラバー」はゴム、「ダム」は堤防、の意味ですので

しっかり役目を果たしてもらいませんとね(^ω^)

患者さんのため② 舌や頬を巻き込まない

歯に周りは、舌や頬、歯肉などの軟らかい組織でおおわれていて、

患者さんが急に動くと、周りの組織を器具で傷つけてしまう恐れがあります。

特に子どもは突然あばれることもあり、そのうえ口が小さいので、

どうしても治療に危険がともないます。

ラバーダムが、歯の周りの組織にフタをした格好になっているので、

安全に治療できます。

患者さんのため③ 誤嚥を防ぐため

子どもは泣くとき、すごい勢いで息を吸い込みます。

治療で使うロール綿などで簡易的な治療をすると、

不意に吸い込んでしまうこともあり、

気管に詰まると窒息してしまいます。(他院で事故の例があります)

ラバーダムは歯にしっかりとシートを固定しているので、

吸い込む心配はありません。

歯医者のため④ 唾液が入らないようにする

唾液には、水分だけでなく雑菌も混じっています。

治療のときに唾液が入ると、材料が固まらなかったり、

歯の中に雑菌が入って治療がうまくいかないこともあります。

唾液をせき止めることで、治療の精度が格段に上がります。

歯の根っこの治療をするときは特に、

根っこの中を無菌状態にしたいのに唾液の浸入によって

細菌が入り込み、治りが悪くなります。

「治してもらったところが再び病気になった」

という原因の一つでもあります。

歯医者のため④ 治療する歯を見やすくする

口の中は狭いのに複雑で、細かい作業をするのがとても難しい環境です。

治療する歯だけがシートから出ていると、

とても見やすくなり作業を精密に進めることができます。

歯の根元を金具や糸でおさえるので、少し違和感はありますが、

安全で確かな治療をするにはラバーダムはとても大切な方法です。

特に子どもに必要性が高く、

省略すると時間や体への負担がかかってしまいます。

4歳くらいからできますので、

ラバーダムをして治療することをお勧めします。

最後までお読みいただき本当にありがとうございました(^^)
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